■北アルプス(槍・穂高) 穂高岳3峰フェース[雪攀]


2019年11月30日(土)~12月1日(日)


橋本(記)、長田、伊佐見、増田


【行程】

11/30(土) 坂巻温泉~上高地~横尾~涸沢・涸沢小屋泊

12/1(日) 涸沢小屋(4:20)~3フェース取付き(6:20)~全パーティトップアウト(12:30)~3,4のコル(14:00)~涸沢小屋(15:00) ⇒ 横尾~上高地~坂巻温泉


シーズンインにどこがいいかなと、北岳バットレスの面白そうなラインを物色していたが、3日前に真さんからメール。黒々としたバットレスのライブカメラ映像を見て対象を穂高に変更。

選んだのは、ネット冬期記録の見当たらない前穂高3峰フェース。伝説のクライマー小川登喜男が24hのラッシュスタイルで初登した歴史ある壁だ。

我々は1泊2日で登ったが、結果としては、シーズンインとして充分すぎる登山となった。


11/30(土) 坂巻温泉~上高地~横尾~涸沢・涸沢小屋泊

 

本谷橋は取り外されていたが、難なく渡れる。涸沢小屋に冬季小屋があったので、迷わず利用。

なんとすぐ横の沢に水まで流れている。明日の偵察を放棄しすぐに宴会。早めに就寝。

 

 


12/1(日) 涸沢小屋(4:20)~3フェース取付き(6:20)~全パーティトップアウト(12:30)~3,4のコル(14:00)~涸沢小屋(15:00) ⇒ 横尾~上高地~坂巻温泉

 

ヘッドランプを点けて、登山開始。3,4のコルへ向けて所々雪崩の可能性も感じる急な斜面を九十九折で登る。取付きまで2時間弱であった。ここから2パーティに分かれて登る。


【登高会ルート:増田・長田(記)】

 

取付き付近、3・4の雪渓中央付近の岩に夏用のロープが張ってあった。

その岩の下で二人で登攀準備。今回全ピッチマッシーにリードをお願い、むしろ喜んでという笑顔。

準備しながらフェースを見ると、チムニー手前にあるテラスに行くには2ルート考えられた。

雪渓から見て「右側の張り出した岩より30mぐらい登った地点で階段状」、これがトポ上のルートか?左はそれよりも角度があり、出だしがボルダーチックな乗越しから始まり登っていくライン。

階段状のルートから行こうとのマッシー意見により、取り付きに行って準備始めるも、最終的には左側のラインを選択。結局このピッチが一番冬壁っぽかった。

トポでは2ピッチ目のチムニーラインを40m繋げているが、上部に入る手前にテラスもあり支点を作って2ピッチにスプリットして登った。

2ピッチ目前半は右側に身体が入るぐらいのクラックがあり、その左に残置なども数本刺さってる筋が通ってる。

雪が付いていればこの筋に沿って登れるのか?完全にドライな感じで登って行くが、だんだんアックスが置ける所がなくなり、マッシーはクラックに身体を入れてずり上がって行く感じ。

最後なにも無さそうなフェイスを左に行くが、アックスを置けるところが無い。

うまく身体を移動して左側のテラスに乗越したところで、ちょっと雄たけびが聞こえました。

私はクラック身体を入れず上がったが、この左移動が出来ず残置にアックスを、、、。

2ピッチ目後半は下から見ると、それなりに登れそうな雰囲気。雪は全くなく完全にドライ。

しかし、トポにある通りかぶり気味で苦しい。マッシーは無理せず時間を掛けてプロテクションを取りながら確実に抜ける。流石です。

私はやっぱり最後のしんどい所で残置にアックスを、、、。

3ピッチ目以降は、隣のRCCルートと合流。前半のものすごくガレてるチムニーっぽい所は危険極まりなく、岩を落とさずに登るのはほぼ不可能。穂高の危なさを認識しました。

トポ上のこのピッチも、途中で切って前半と後半に分けて登った。

 

 


RCCルート:伊佐見・橋本】

 

1ピッチ目:伊佐見リード。浅い左上ルンゼ状を行く。頭上の(核心の)クラックへの登攀を考慮し、少し短めに切った。Ⅲ。35m。

2ピッチ目:橋本リード。頭上のクラックへ行きたいが、傾斜が強く、直接上がれそうにないため、一旦1ピッチ目を戻るように右にトラバース。ロープの流れを考慮し、クラックの取付きでピッチを切る。逆くの字のイメージ。Ⅳ。20m

3ピッチ目:伊佐見リード。核心のクラック。完全にドライなコンデョション。ハーケンが連打されている付近で「掴んじゃった」の声が。その後も残置、カムを駆使し、テンション混じりで終了点へ。フォローしてみたが、夏であってもⅣというグレードではない。シビアなフッキングが必要で、M4~5程度に感じた。20m。

4ピッチ目:橋本リード。ガバガバのフェースからクラック。ハンドジャムが良く決まる。30m。Ⅲ

5ピッチ目~6ピッチ目:70~80m。急にボロボロになる。エッジのある岩が積み木のように重なり恐ろしい。ロープの流れで落石が起きる。Ⅱ。

 

登り終わって振り返ると、どうもトポと登攀距離が異なる(長い)。それになんだか、変に残置が多かった。クイックドローやカム、ロープなども捨ててあった。しかし、冬壁的にみるとなかなか面白いルートであると感じた。

 


伊佐見・橋本パーティが先にトップアウト。2峰が目の前に見える地点に出た。後続パーティが来る間に、みるみる天候が悪くなってくる。

時間も押していたので、壁の完登ということで、頂上はあきらめて下降に入る。予想していたが、北尾根の下降は難解であった。途中下降ポイントを見つけれず、怪しげな残置ハーケンにスリングを通して下降したりもした。合計4回懸垂し、3,4のコルへ。3,4のコルから涸沢へ下山。

 

 

後でマッシーから聞いたが、登高会ルートの核心をオンサイトしたらしい。

エリートクライマーがわざわざこの壁に来るとは思えないので、冬期フリー初登の可能性もある。素晴らし登攀力であるし、記録に値すると思う。

 

【課題】

・予想していたが、北尾根の下降が難解。

・装備のロストが大きかった。(カム、トライカム)

・体力不足。

 

以上



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