ひうち岳様、大杉岳様、お久しゅうございます。 共に過去にその頂きにたち、まだなお幾つかのプランを胸中秘めさせる 山であった。かなりの山屋ならわかるが、当然それは山スキーの可能性 においての話である。
 さて、今回は最強の相棒・爆アームとの山行だ。疲れきったワイにはカンフル 剤に丁度いいパートナーかもしれない。また、それとは別に一から山をやろうと いつものことながら真剣に大胆に取り組む自分もいたのだった。なーんちって。  とーにかく、登りは七入から快適なシール登高。尾根どうしに登るが、小ピー クは左から攻めていく。ブナ平の平原は地図上よりもはるかにでかい。延々 と平を歩行するが、無雪期には道もなく、その空間に入れないことを思うと 何か独占禁止法を無視して、自分たちだけが味わうその禁断の木の実を どっぷりと堪能するだけの二人がいた。アホだが、センチで危ない二人の ある文言を言ってはいけない山行が始まったのである。

 東ノ田代からいよいよ後半の登りである。中傾斜の樹林を好きなラインで じっくりと登るが、最後の森林限界からの二ふんばりで白き絶頂のひうち岳だ。 あたりのパノラマもバッチリで、興奮せずにはいられない。武尊から尾瀬の 縦走は3月末なら最高だろう。至仏岳にムジナ沢の斜面も良いし、昔行った 平ヶ岳もたまらない存在を誇示している。
 緊張の滑降のスタートはややクラストした急斜面、かなり板にひっかかるが おおむね快適で熊沢田代、広沢田代と存分味わうが、所々の急斜面は雪質 にもよるが、少しいやらしい。
 泊まりは水にこだわり、横沢田代に舞い降りる。なんと雪原の真中に雪が 切れて水が流れており、即、ビバーク地点と決める。
 時間は充分ある。1mのブロックを積み、ツェルトを張ると、雪を削って テーブルを作り、雪原ド真ん中での宴会と相成る。これが最高で、酒をグイグイ やり、爆腕スペシャルの鍋のつまみで、久し振りに山の酒を楽しむ。ここでは 言ってはいけない話で盛り上がり、爆腕小浜氏の進退について真摯に 語り合った。つまり簡単なことで、ワイ=ゼット、ゼットはすなわちワイであり、 すなわちもてる、故になぜにここにうら若きかわい子ちゃん&のりのりギャル &しっとり美女がいないのかと大いに悩んだのである。

 夜半、強風雨でいじめられるが、朝方には落ち着き、大杉岳を目指す。
快適な登り1時間でその頂きに立つ。以前、山ちゃんと奥ちゃんの3人で会津 駒ケ岳から縦走して、左岸尾根を滑降した記憶がある。そのときも最高の山 旅で、今回もこの右岸尾根に期するものはかなりのものがあった。
果たしてそれは約束された。やはりくせがなく単純で滑りやすくかつ面白い。
後半のブナの林間滑降は気持ちのよいターンの中、延々にこの尾根が続いて ほしいと願ったくらいだ。
 あとは登りに使ったライン取りを素直に滑り、七入りに着。ひつこく車道の左側 をクロスカントリーで飛ばすとキリンテにある駐車地へはアッと言う間であった。
やっぱ、山スキー最高でんな。不参加の皆の衆どもすんまそん。
もうアイスなんて邪道の糞ですよ、くそ。
沢なんてそんなくだらない登り方あったの? フリーの登りて何の意味。…なんてね。
そのぐらいオイピー、スキー山行でした。

 コースタイム 
4月6日キリンテ7:20 七入り8:20 ひうち岳13:00 横沢 田代15:00
  4月7日発7:00 大杉岳8:00 七入り9:45 キリンテ10:20