■巻機山/五十沢川中流部ゴルジュ遡行~巻機沢(本谷沢)遡行~裏巻機登山道下降[沢]


2023年7月29~30日

巻機山/五十沢川中流部ゴルジュ遡行~巻機沢(本谷沢)遡行~裏巻機登山道下降

形態:沢登り

メンバー:ナベ(記)、丸ちゃん


五十沢やるか!と飲み会で盛り上がったものの、よく調べると上部ゴルジュ含めると最低でも3泊4日かかりそうだということで、下部ゴルジュ~本谷沢とする。

(なお、最近の記録で、上部ゴルジュ含めて2泊3日でやっつけている記録あり。桜坂駐車場への配車で多少楽にはなりそうだけど、それでも2泊3日は大変そうだ)


7/29

04:40 五十沢キャンプ場発→05:45 五十沢本流沿い・標高約460m地点(藪こぎ開始)→06:15 登山道に復帰→07:15 二合目取水堰堤(遡行開始・中流部ゴルジュ突入)→10:50 ゴルジュ終了→13:50 巻機沢(本谷沢)出合→17:30 標高1180m付近でビバーク

 

・早朝、キャンプ場から天竺の里方面に上がるゲートはしっかり閉じられ、突破不能。

 なんでも事前に電話しておくと開けておいてくれることもあるというが、そんなこと我々はしてないので、歩く。

 なお駐車場料金がよく分からなかったので郵便ポストに1000円突っ込んでおいた。この辺も電話で問い合わせるのが吉だろう。

・林道の途中ショートカットできそうな「下道」なるものがあったので利用したが途中で終わっており、登山道に復帰するために藪こぎ30分。大人しく天竺の里方面(みやて小屋)から登山道に入るべきだった。

2合目取水堰堤までの下部ゴルジュは圧巻。ただ、これはキャニオリングの対象か(登れるように見えない)。

・取水堰堤から遡行開始。即核心部のゴルジュとなるが、水量少なく、水も温かった為比較的簡単だった。丸ちゃんの草付き登りはヤバかったが…

・時期が時期だけにアブがまあまあ多く、特に中流部ゴルジュ~巻機沢までの間が一番多かったと記憶している。泳ぐと顔面にタカってくるのが特に鬱陶しい。防虫ネットが有効。

・巻機沢に入ってからは小粒だが侮れないザ・越後の沢となる。ヌメリがひどくてハマり、丸ちゃんにケツを押してもらうなど散々だった。

・基本直登または小さく巻けるが、1160m付近で出てきた門状の5m滝は左岸からの大高巻きを強いられた。

・事前情報通り本谷沢はテンバが少ない。マッシー達は大岩の上で泊まったというが、我々も大岩の上でビバーク。ただし笹の枯れたような奴が岩の裏にゴッソリあったので細々と焚き火で来たし、それでお湯も沸かせた。

 

この看板見たら、あたかも上流で登山道と合流しているように見えませんか?(魚留滝で行き止まり)

 

登山道から見る五十沢川下部ゴルジュ。すごい。

 

入渓。即ゴルジュ。

 

水量少な目

 

この奥の滝は登れそうになく、左岸高巻き。

 

巻いた滝を上から。

左岸にボルトが連打してあったので、おそらくゲレンデゴルジュ的な形で登られることもあるのだろう。

 

水量が多かったら大変だろうなあ。

 

唯一泳ぎでロープ出した箇所。

左から回り込んで流心を渡り、右奥のチムニーを登った。

 

チムニーからクライムダウン→右壁にマントリング→残置のある安心クライミング→超絶危ない草付き→トラバース気味に懸垂でクリア

多分残置が途切れたところから上流側にトラバースだったのでは?(それとて簡単ではなさそうだが)

 

トラバース気味に懸垂中。危ない。

もうゴルジュ出口が見える。

 

ゴルジュが終わると河原の合間に小滝や淵。

泳ぐたびにアブが顔面にタカって来る。

 

石門-1

 

石門-2

 

巻機沢(本谷沢)は滝になって出合ってくる。

手前のルンゼを登って巻機沢に入ったが、もっと戻って高巻いた方が良かった気もする。

 

巻機沢に入ると、小粒だがピリリと辛い滝が連続する。

ヌメリも相まって一筋縄ではいかない。ここはザイルを出した。

 

これもヌメリがきつかった

 

水量は五十沢川本流に比べるとだいぶ少ないが、スケール感は結構あり、「本谷沢」を名乗るに十分。

 

気持ち悪いくらいCSが挟まった滝。

もちろん無理。確か右岸巻き。

そしてこの後門状の5m滝で左岸大高巻き。

 

全然いいテンバがなく、大岩の上に無理やりタープを張る。

大岩の後ろに枯れ草が沢山あって焚き火出来たのは良かった。


7/30

05:50 ビバーク地発→10:20 牛が岳→10:50 巻機山→11:20 割引山→13:05 大窪沢→15:20 天竺の里(みやて小屋)→16:10 五十沢キャンプ場

 

・テンバを出るといきなりシャワー交じりでつらい。また、この日は巻きで笹藪モンキークライムを多発するので腕が疲れた記憶がある。

・左岸スラブがいきなりスパーンと垂直に立ち割れているゴルジュが出てきて一見の価値あり。これは左岸巻き。これを終えると右岸になかなかの河原アリ。快適性高そうだが、初日にここまで引っ張るのは厳しそう。

・稜線に出てからはビックリするくらい人が多い。

・裏巻機登山道は「ザ・酷道」。私は基本的にトラロープ等の残置物をあまり信用しないで山登りをしてきて、全体重をかけるような使い方はしたことがなかったし、今後もそれを守ろうと思っていたが今山行で断念した。トラロープを信じないと日中に降りるのは不可能だったと思う。それぐらい大量のトラロープ利用下降箇所が多かった。

・大窪沢で下草刈っている作業員の方々に会う。彼らが先に下山開始し、我々も休憩後追いかけたが影すら踏めなかった。草刈り機片手に我々より早く歩くあの二人…レジェンド級の方かもしれない。

・みやて小屋からキャンプ場までの林道はそこそこアブが出る上、こいつらの凶暴性は沢の中の比ではなく、最悪だった。丸ちゃんは虫よけスプレーを大量に使ったが本当に申し訳程度にしか効かない。

・キャンプ場では子供は平和に遊んでいるのになぜか我々にはアブが集ってきて、一目散に車に乗り込み逃げた。

 

テンバ出るとすぐ巨岩CS滝。濡れる。

 

本日も滝が多い。

 

スラブを立ち割ったようなゴルジュ。

これは一見の価値あり。

 

大系の4段80m。

このあたり三俣みたいになっており間違えやすい(視界があればこの滝が目に入るので大丈夫だが)。

 

ミニ石門が。

 

石門からランニング

 

大分上流だがまだ滝が出る。

笹のモンキークライムは腕に来る。

 

大分上流感が出てきた

 

しかしまだ楽にならない

 

ヌメリが多くて悪かった。

この後ようやく落ち着いてツメに入ったと記憶している。


【感想】

丸ちゃんにおんぶにだっこみたいな形になりほぼ見せ場なく終わってしまった…

巻機沢が思ったより内容良くて(大高巻きは1か所だけ)良かったけど、帰りの裏巻機登山道(新道)はマジでしごかれた。こんなん登れる奴いんのかよと下山後検索したら、登るどころか、旧道のぼって新道下るのをワンデイでやっている記録なんかもあり、世の中は広いなあと思った

(登るなら大窪沢で幕営してピストンだとなんとか楽しめそう)。

(ナベ)

 

【参考記録】

上越・五十沢本流遡行(2合目取水堰堤~)(ファイントラック)

五十沢川 2合目中部ゴルジュ ~ 本谷沢 ~ 巻機山(ヤマレコ)

五十沢川本谷沢 2015/8/1-2(ぶなの会)

 

【使用ギア】

ザイル40m1本、30m1本(たまたまこうなったけど、細めの40×2本がベストだったか。30×2でもイケると思う)

ゴム底の沢靴(ぬめるけど、高巻き考えたらこっちの方が有利)

タワシ、カム、ハーケン

 

【地図】


 

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