■谷川/一ノ倉谷一二の沢中間稜 [雪攀]


2010/03/14 (日)  高橋・治田


タイム: ゴンドラ乗り場発04:10 - 一ノ倉出合05:15 - 中間稜取りつき06:00 - オキの耳14:00 - 西黒尾根 - ゴンドラ乗り場ト駐車場16:45


土曜の夕方ゆっくり家を出てまずメール。今週は仕事中の長嶋さんに "お疲れ様です。わりいけど、今回は体調いいよ!″先週の金曜夜発仮眠一時間後出発はきつかった。

 

土合の駅で細谷号を見つけられずにほんじゃやっぱゴンドラ乗り場かと移動して赤いRV車を発見。風は木々を揺さぶり唸りをあげており予定通り避難小屋に入ってればいいが、一ノ倉尾根上では相当大変だろうなと思った。ぬくぬくの切符売場は満員御礼で寝る場所を探す状態で先週とは様変わりしている。山スキー・ボード組が半分以上占めているようだが今週末で谷川が入山禁止になることが発表されたのでバリエーションにはラストチャンスなのだ。


3時10分に起きて4時10分発。雪は先週のぐさぐさざらめ雪と違ってまあ許せる状態まで回復しているではないか。一の倉出合に5時過ぎ着。奥に向かうライトがぽつぽつとある。既にテールリッジを登りきった明かりもあった。出合のデブリも新雪と馴染んで先週の威圧感を失っており雪崩れるような気配はない。春もお終いと思った先週からこうも復活するとは・・・。また勉強しました。学んだことの活用の機会がまたあるだろう。きっと。

 

一ノ沢入口の末端から中間稜に取りつく。期待した踏み跡はなかった。若干もなか状で足首から膝からまで潜るが藪も多い。この雪の状態では一ノ倉Pはきっとあの辺でビバークしたに違いないと右手の尾根を見ながら登り、雪原に出るところで一の沢側から二人組が上がって来た。左方ルンゼを目指していたそうだが朝早く出すぎて取りつきがわからず2時間くらいうろうろしているうちに一人が既に脱落して引き返したという。"そうですよ。わからないのに暗いうちに入ったって無駄ですよねっ″と先週の知見を披露さしてもらって意気投合? 雪原は見た目以上に傾斜があり、もなか雪の上に板状に滑る薄い層がのっていた。

雪の状態が悪いと言いながら、ギャップ手前の懸垂ポイントでアンザイレンした。確保しながらギャップをクライムダウンしてそれからは山頂に抜けるまでロープ結んだまま。途中コンテしたのは2ピッチくらいだけでスタカットで20ピッチ以上は刻んだだろう。ノーランナーのピッチがほとんどであったが、草付きダブルアックスが結構あり快適な雪稜なんてものはなかったし、スタカットのほうが休めるのでその方が自分にはありがたかった。コンテの場面では当然治さんが先頭なわけで "ゆっくりお願いします。ゆっくり~″と恐怖しながらフォロー。ようやくナイフリッジが始まる手前で左方ルンゼからまた 1P上がってきて 、やったぜ。ラッキー!助かります。

 

左方ルンゼ合流までが雪が薄くいやらしい草付きで時間がかかってしまっていたし、太陽は全く姿を現さずガスが渦巻く冬期登攀の雰囲気に晴天の予報なのにどうなってんの?状態で山頂に明るいうちに届くのか一抹の不安が訪れていた頃合いだったのだ。左方ルンゼPの出現とともにようやく期待していた太陽が射してきた。先行Pがいたので楽になったナイフリッジを越えたところで先行Pと話したところJECCの小川さんで "山登の山崎さんとはよく一緒行くんですよ。来週も一緒錫状の約束なんです″というわけで既に仲間になっていた水戸Pと併せて3P一体感を持って登った。因みに左方ルンゼ核心のF5は全くのドライツーリングで足ぶらだったと言っていた。それがどういう世界なのか俺の想像できるところではないが。

 

東尾根に出て上の岩峰の基部で大休止。

東尾根はやっぱり素晴らしい尾根であり登路であるとの思いを強くした。岩峰は二人とも直登したことがあるので踏み跡のついている二の沢側のバンドを辿って巻いたがランナーの取れない巻きで "直登のほうが全然まし"ということで治さんと見解は一致した。もっと大きく巻くのだろうか。以前東尾根に登った時に苦労した覚えのあるAルンゼ側に回り込んでの国境稜線の雪庇越えは踏み跡があっても緊張した。持ってきたスノーバー2本は将にここで使うべきものだったのだがあと10mで山頂というところでエイヤッと越えてしまうのだ。これはマチガ側にトラバースして越えた方が楽だろうと思えたがどうなんだろうか。

 

越えたところが快晴のオキの耳山頂。

やった~

はあ、疲れた。

 

水戸Pと激写し合っているところへ一の倉岳方面から疲れた様子の3人Pが到着。一の倉尾根を登って来たという。二人組はいませんでしたかと聞くと "ああ、山登魂のPですね"と。昨夜は同じあたりでビバークして、今日は自分たちの少しあとについてきてたんで、もうすぐあの山頂に出てきますよと振り返る。安心した。あの強風の中ビバークしてすげーな、よくやったなあ。とは言っても山頂からノゾキの鞍部を越えここまでは疲れた体には時間がかかるだろうな、今晩も避難小屋か、お疲れ様だなこりゃと勝手に決め込み、また、治さんのこれまた勝手に想像する細谷さんの指の凍傷の様子の微に入り細に入った描写をそうですね、とうなずくのだった。すぐそこだったとは。失礼しました。それから一の倉尾根の先行Pだが、まつど岳人クラブPで一人は"山崎さんにはお世話になってます。"と。同じことを聞いたのは本日二度目也。

 

とにもかくにも、積雪期の一ノ倉谷に登れて大満足です。

これだけしか登ってなくてもいいシーズンと言えるのだ。

自分は東尾根を登ったことがあるだけですが、そのときに一二の沢中間稜が上部で合流するのをみてかっこいいなと思っていたのです。

 

治さん、お世話になりました。ありがとうございます。


 

P.S. 谷川岳登山指導センターHPより

 

○今日の谷川岳 3月14日(日) 曇り ~ 晴れ 日中の山麓の気温 4

・現在、一ノ倉沢テールリッジ他、ルート上には不安定な雪のブロックが多くあるようです。

・崩落間近の状態もあり、引き返してきたパーティーもありました。 登攀には細心の注意と判断力が必要です。

・本日、東尾根を中心に多くの登山者がいましたが、やはり雪の状態が悪く多くのパーティーが途中から引き返して来ました。

・積雪は山頂付近で100~200cm。平均で3m位だと思われます。

・肩の小屋は避難小屋として使用可能です(無人)

・平成22年度 「危険地区の雪崩れ発生等による登山禁止期間」は3月19日(金)から4月30日(金)までとなりました。


以上 

記)高橋

 

 

山登魂HPへ