大源太山コブ岩尾根

【ルート】

清水〜丸ノ沢〜大畠ノ沢〜大源太山コブ岩尾根

【形態】

スキーでアプローチする雪稜

【日程】

2015年3月28日 前夜発日帰り

【メンバー】

佐藤、佐野、荒井

【報告】

大源太山コブ岩尾根、間違いなくマイナーなルートだが、なんとなく気になるルートだった。2008年、一泊二日の計画でショートスキー(フリートレック) でアプローチしたが、取り付くこともできずに敗退。しかし、そのときに見た大源太山の東面は非常に迫力があり、いつかぜったい登りたいルートとなった。一方で、そう簡単ではない山として心に刻まれることになった。

昨年、佐野さんの提案でアルファールンゼ(大源太山アルファールンゼ)を登った際、無雪期ではあるもののアプローチやルートのイメージがつかめ、そろそろやるかという気持ちになり始めた。さらに、ここのところの山行のおかげで、体力、気象条件やルートの読みの勘もいい感じだ。 先週の海谷(海谷烏帽子岳)の印象から、今シーズンは雪が消えるのが早く、やるなら早いほうがいいという考えで佐野さんと一致。「今週末しかチャンスは無い」と計画を出した。 今回は日帰りで狙う。当然スキー利用だが、雪質の予想から、短いスキー(スキーベンチャー)ではきついと考え長板を選択。兼用靴のクライムは嫌だが、アプローチのスピードを優先する。 計画書を出した直後に、最近スプリットボード使いとなったドラゴンが食いついてきた。おっと、このマイナールートをやる気か?そうか、やりたいなら断る理由はない。あとで聞いたが初めての雪稜がこの大源太山コブ岩尾根だそうな。いいね!

3/28 晴れ

ETCの休日割引の都合で0時過ぎに塩沢石打I.C.を降り、コンビニに寄って清水集落奥0:40着。奈良沢源流へ滑りに行く治田さん、伊藤さんと一緒に入山祝い。2:00就寝、4:30起床、5:30出発。えーい、今回も睡い。 2008年の敗退の反省から、丸ノ沢出合までは林道を行こうと思っていたのだが、雪に埋まり、急斜面と同化してとても歩ける状態ではない。はて?記憶違いか。河原を行くことにしたが、それでもとにかく右岸だ。

丸ノ沢出合までは順調、登川のスノーブリッジも問題なし。丸ノ沢に入ると大源太山が見える。記憶より迫力がない。ちょっと雪が少ないのか。一方、沢の様子も去年のアルファルンゼのときのイメージと全然違う。木の葉は落ち、藪が雪に埋もれ、地形が単純に見えるので、地形図の等高線のイメージに近い。

コブ岩尾根へは大畠ノ沢出に入ってすぐにも取り付けそうだがせっかくスキーで来たのでもう少し標高を稼ぐ。当初の予定通りニセ四ルンゼ出合付近まであがり、スキーをデポし、ニセ四ルンゼの左岸の尾根から登る。

尾根上には、第I峰からW峰、そしてコブ岩があるが、コブ岩以外はどれがどれかよくわからない。 私の解釈では、第I峰は我々の登った尾根と、コブ岩尾根とのジャンクション、第II峰は鶏冠状の岩で地形図からは不明、第V峰は北ノ沢からの支尾根が交わるところ、W峰はニセ四ルンゼの頭。

はじめは樹林の尾根だが、T峰に近づくころには樹林を抜ける。この辺はラッセル。

U峰、V峰付近は岩が出てくるが、だいたい巻きで藪。たまにナイフリッジ。藪っぽく、灌木をつかんで登る。沢登りの巻きでこういうところあるよな、という感じだ。岩に隙間を開けて乗った雪や、ギャップにルート取りの神経を使う。途中まで登攀具もアイゼンもつけずにいってしまい、つけたのはV峰あたりだった。

ニセ四ルンゼの頭となるW峰を過ぎると平坦地があり、泊まれそう。その先は急斜面となり雪が割れている。ここまでくると、本(?)四ルンゼが見える。コブ岩は直登は無しとして、遠目には四ルンゼを登るように見えるが、近づいてみると合理的な藪の巻きラインがなんとなく踏み跡のように見える。ロープは使わなかった。灌木はしっかりしているが、急傾斜なので疲れる。そして思ったより長い。途中コブ岩に錆びた残置ハーケンが二本あった。

コブ岩のてっぺんは狭い。そしてそこからナイフリッジだ。雪は堅く安定しているが、表面の雪がアイゼンでずりずりと崩れるように滑るので怖い。振り返って写真取ったりする余裕もなく、大源太山の北の稜線と合流。雪が積もっているのでどこが山頂かわからないが、とにかく一番高いところに立って休憩する。 山頂からは急すぎてコブ岩尾根はよく見えない。天気はよく景色はいい。柄沢山が一番目立つかな。巻機山は天狗岩が黒く目立つ。ちょっと興味がある。

下降は大畠ノ沢だ。雪は堅くないのでアイゼンを外す。尻セードで下ろうとしたが、すべらない。しかしここの斜面はすばらしい。丸の沢の斜面も広々としている。大量の積雪で二つの沢は一体化している。いつかスキーで滑りに来たいところだ。スキーのデポ場所まで、汚い坪足トレースをつけてしまうのが残念だった。

スキーを回収し、一滑りで丸ノ沢北ノ沢へ合流、さらに丸ノ沢の本流に合流するともう傾斜はほとんどない。ドラゴンはスプリットボードなので、ここからシール歩行。長板二人組はシールをつけずにだましだまし、進んでいく。登川に入ってからもそのままだらだらと歩いて結局シールなしで駐車地までたどり着けた。

7年越しで大成功だ。しかし、終わってみれば、長時間行動なので体力的にはハードではあるものの、思ったよりあっけなかった。たぶん、ここ最近の山登りの経験、アプローチの具体的な知識など準備万端だったからだろう。 コブ岩尾根自体、技術的には難しいルートではないが、記録の少なさもあり適期の読みが難しく、なかなかチャンスの少ない山だと思っている。計画段階で、登れる!と思ったときが一番うれしかった。きっとそういうルートなのだろう。

2015.4.5 佐藤益弘

【記録】

3/28 清水0530 - 丸山沢出合0710 - 大畠ノ沢出合0800 - ニセ四ルンゼ出合付近スキーデポ0830 - トサカ(U峰)付近1000 - コブ岩取り付き1200 - 山頂1300 - 山頂発1330 - スキー回収1430 - 清水1600

【使用装備】

スキー(一名はスプリットボード)、ダブルアックス、(ロープ50mを持って行ったがは使用せず)

【写真】