2016.10.16 高橋、武井(記録)
駒の湯07:00~林道~桑ノ木沢出合~登山道~山神様(家ノ串
金山沢奥壁は、ハーケン、カム、ボルトを総動員して登攀する、日本のアルパインクライミング指折りの難関エリアであり、電動ドリル担いで登った等の記録も散見される。
山登魂でも、過去に第一線メンバーによる登攀記録がある。
佐梨川金山沢奥壁 第3スラブ(2008年6月)
佐梨川金山沢奥壁 第4スラブ(2009年6月)
佐梨川金山沢奥壁 第2スラブ(2010年6月)
アプローチの金山沢の鉱山道と鉱山跡も非常に興味深く魅力的な『日本の秘境』であり、快晴に恵まれた秋の週末、廃坑探訪ハイクへと出掛けた。
朝7時、駒の湯第2駐車場を出発。林道終点から桑ノ木沢右岸に登山道があるが、足場が悪く途中で沢へ降りて鉱山道入口まで遡行した。二人共沢靴(アクアステルス)だったので、復路は迷わず沢下降を選択した。靴を濡らす前提装備であれば、こちらの方が楽かもしれない。
鉱山道へ取り付いて、家ノ串
眼前に、大迫力の金山沢奥壁が見えて来た。台地ではルート図片手に、読んで来た過去の記録を思い起こしながらの談議に花を咲かせた。
天候に恵まれたおかげで、金山沢奥壁の壮大な全容を眺めることが出来た。郡界尾根の向こうは、オツルミズ沢。
今年は雪不足のためか、雪渓は遥か下にほんの僅か。各登攀記録のような、雪渓へ下降して横断しての取り付きは困難(不可)か?台地上には、懸垂下降用のリングボルトに、ペンキマークが付いていた。今回の目的は鉱山跡探訪。左から計3ヶ所見える坑道を順次目指して、前進した。
まずは、第1の坑道の中へ。奥の方は意外と水が澄んでいたが、数十mで崩落のために行き止まり。途中の岸壁には、鉱山の名残らしき鉄パイプが、岩壁に打ち込まれていた。
第2の坑道は、木製の支柱や斜坑に敷かれた板などの設備跡のほか、錆付いた金属の塊と化したトロッコの車輪跡が残っていた。本坑を貫く斜坑を見上げてヘッドランプを消すと、かすかに陽の光が差し込んでいた。更に別の坑道入口が上の岩壁にあるのだろうが、崩落が激しくて探索は諦めた。
最後に辿り着いた最もアプローチの厳しい第3の坑道は、シンプルな一本道のみ、数十mで行き止まりだった。
金山台地へ戻り、名残を惜しみながらルート読み談議の後、帰路に付いた。山の神では、山行の無事を感謝しながら再び手を合わせた。14時に駐車場に到着後、駒の湯に立ち寄った(外湯は露天風呂のみ500円)。冬季休業が納得の超ぬるま湯で、長湯には良いかもしれない。