2019年6月22日 ナベ(記)、イトー
8:45公園駐車場出発~9:00堰堤より入渓~9:15涼みの滝(F2)→左岸巻き→F3を見て大高巻きに入る→諦めて沢床F2上に下降→12:00大観音滝(F3)~13:00ごろ駐車場
十谷集落入口の、バス転回場あたりから渓谷に下る細い車道があり、これを辿ると大柳川公園。ここに駐車して準備。
渓谷沿いに付けられた遊歩道を辿り、幾つかの吊り橋を渡り、竜仙橋を渡って、梨木沢左岸沿いの遊歩道に入る。
途中で「ハイカー立ち入り禁止」とか書いてあるがハイカーではないので進入。
すぐ堰堤が出てくるので、堰堤を越えてから入渓。
すぐに小滝に出会う。これがF1となる天狗滝らしく、左から登ったがいやらしい。
最後は吊り橋のワイヤーをつかんで抜けた。この橋(天狗橋)で、遊歩道が右岸に渡っている。
F1 天狗滝
左から大きな支流が出会い、梨木沢は一旦河原になる。遊歩道は支流の方に上がっているようだ。すぐにF2涼みの滝。水量少なければシャワーでのぼれそうだか、厳しいか?
F2 涼みの滝
イトーさん主張により少し戻って、右手のスラブ~左に延びるバンドを経由して落ち口に至るラインを登る。
案の定、株のスラブは簡単だったが、バンドのトラバースは厳しく、奥の垂直の壁を登らざるを得なくなる。
ザイルを出し、紫キャメを決めてビレイ点作成、イトーさんにビレイしてもらい、ナベが右手の凹角を登ろうとするが厳しい。
イトーさんがもう少し左寄りを登れるというので、クライムダウンしてイトーさんより下に移動、マイクロカム1個でビレイ点作成し、イトーさんに交代。
細い木と腐った木を利用して一段上がったまでは良かったが、二段目の傾斜の強い段差の乗越で行き詰まる。
明らかに難しそうなので無理するなと声かけたが、何度か行きつ戻りつしつつも、2個カムが決まったから行くとのこと。
しかし、体勢を崩して(A0していたカムが抜けたとの事)フォール。ちゅーか、俺の方に落ちてくるじゃん!つまりカムは2本とも抜けたという事。
とにかくザイルを握りしめるしかなかったが、旧ビレイ点の三本目カムは幸い抜けず、ナベの横くらいで止まる。
これも抜けたら、多分ビレイ点のマイクロカムでは耐えられないので二人とも下まで落ちてました。危ねえ~。
当のイトーさん、5mは落ちたと思うが無傷。ホントこの人、不思議と怪我しないなあ…運が悪ければスラブで足をすくわれて回転し、頭を打つ場面だが…
(帰りの車で、「本チャンで落ちるまで攻めてはイカン」「足さばきが雑」「まずはカムエイド練習してカムの効きを確認できるように」など散々説教を垂れる)
傾斜の強い段差を攻めるイトーさん
このあとフォール。
ナベに交代、段差まで上がるのも、細い木と腐った木の処理は結構神経を使う。
段差では、足元に赤キャメをバッチリ決め安心。
さらに奥の浮石にマイクロ決める。
こいつは静荷重なら大丈夫そうなので、それにカウテール連結し体重預けて、さらにハーケンを叩き込み、ハーケンにスリング付けて簡易アブミにしてA1で乗り越える。
その上も油断ならず緊張。全体に岩がもろい(なお、イトーさんこのハーケン回収できず残置となる)。
立木で一回ピッチを切って、左トラバース。滝上の左岸10メートルくらいのところにでる。
樹林の隙間から、その先に滝があるのが見える。
さっきのフォールで攻めっ気が無くなっており、そのまま丸ごと高巻こうとするが、そこらじゅうに小垂壁があり右往左往。
このままでは尾根に追いやられる。
それはそれでもう敗退でいいやと思ったが、地図を見ると、尾根にあがっても、登山道は尾根北側についているではないか。
時間がかかると判断、懸垂でF2上に降り、F3を拝んでから撤退する方針にする。
2P懸垂してF2上に。F3は10メートルほどで、水量すくなければ明らかにシャワークライミングで登れる雰囲気。
また、左壁のラインもある。
あるいは左手のルンゼから弱点をぬってルンゼ右手の壁を登りトラバースしてF3落ち口という手もありそう。
このF3が、大観音滝らしい。
F3 大観音滝
今回はここで撤退。右岸側から見ると、F3の奥には、F4まぼろしの滝が見える。
水量が多いため水が吹き出しており、ド迫力である。側壁も凄まじく高い。
F3の上に見えるF4まぼろしの滝。登れるのか…?
F2を懸垂で降りる。改めて観察すると、F2は左手の超苔苔スラブを3メートルほど上がれば、落ち口まで続く斜上バンドを拾える。
左手の場合は出だしが核心なのでプレッシャーが少ないし、ハーケンの入りそうなリスもあるので、通常はこちらか。
河原に出て、ここからは遊歩道経由であっという間に下山。河原状ではおじさん二人が昼寝していた。遊歩道の整備をされているようだ。
国道に出る前に「かじかの湯」があるので、ここで垢を落とし、腹もこしらえ、時間が早かったので下道で帰京。
【テクニカルコメント】
側壁がぶっ立っており、しかも岩がもろく、巻きもそんなに良くない(雪崩で鍛えられていないため、かなり太い木でないと弱い)。
とはいえ、岩には節理が結構あり、落ちると岩ごとぶっ壊れそうな雰囲気はあるものの静荷重には耐えてくれそうな感じで、時々固い部分もあり、総じてプロテクションはまあまあ。
ヌメリはあるがゴム底沢靴でもOKなレベル。
本気で攻めるなら、いっそフエルトタビ+クライミングシューズという手もある。
【感想】
久々に完全な敗退となりました。こんなとこにこんなゴルジュがあるとは…
今、ネットに記録出すと登られちゃうから出したくない気持ちも正直あるのですが、課題としてオープンにしたほうが沢屋界の発展に資するものと考えますので、誰か仇取ってださい。
残るはF4~F7ですが、えだ2さんの写真を見る限りでは、頑張ればなんとかなる…かも?
尚、手ごわいという意味では大当たりだったのですが、思ったより沢が綺麗でないのは残念でした。
林道によるゴミもそうですが、なんか、岩が集塊岩系であんま美しくないし、雨のせいか少し濁っていました。(大柳川本流は完全白濁)
そういう意味でも人を選ぶ沢です。
それにしても、遊歩道や尾根からのラッペルでしつこく沢を探索したえだ2さん、マジすごいです…
※Fナンバーと滝の名称はえだ2さん記録より引用
えだ2さんのブログ
https://ameblo.jp/eda-2/
えだ2さんの梨木沢探索の記録
https://ameblo.jp/eda-2/entry-12482429691.html?frm=theme
https://ameblo.jp/eda-2/entry-12482429759.html?frm=theme
【地図】