■長野/戸隠神社奥社より八方睨[雪稜登攀]

2021年1月10日(日)~11日(月)(前夜発一泊二日)

ナベ(記)・高橋

た、魂ぃ~。久々の激山でした。奥社から自パーティで全ラッセル。


1/10(日) 小雪

07:00戸隠神社奥社駐車場~11:30岩場基部(五十間長屋)~15:00西窟

 

道の駅しなのにて前泊後、除雪された奥社駐車場(1日1000円)に駐車。

奥社までは約2キロ。小雪の舞う中、随神門の向こうから和服の女性が傘さしてこちらに歩いてきているのを見て、お化けかと思い帰ろうと思ったが撮影だった。

真冬に和服は寒そうだ。

弾丸トレースを利して奥社まで。

 

積雪状況。

 

奥社。屋根の上の落雪が怖い。

 

参拝してワカンを履き、左手の尾根に、しめ縄をくぐって取り付く。約150メートルの登りは概ね胸ラッセル。ここが核心と思っていたので頑張った結果、意外とあっさり尾根に出られた。わーい。

ここから緩い尾根を確か2~3ピッチほどのラッセルで五十間長屋のハング下に出る。この時点で昼前であり、こりゃ楽勝やでと思ったが甘かった。

 

尾根上のラッセル。傾斜面では膝程度。

 

岩場の上からスノーシャワーにより粉雪が堆積している箇所があり、百間長屋前後、特に最後の西窟前の雪だまりは雪崩の源頭と思われ、下部には木の生えていない斜面が広がっており気持ち悪い。そんな斜面をラッセルが深すぎて時速50メートルで進む。振り返るとさっき休憩した百間長屋の祠が見える状態がずっと続く。西窟にたどり着いたときはやったぜ感半端なかった。

なお、あやうく直前の、断崖絶壁のど真ん中の祠へ続く鎖場を隊長指示で登りかけた。

ハング下にテント張って快適な一夜。

 

五十間長屋~百軒長屋間のラッセル

 

百軒長屋

 

百軒長屋~西窟間のラッセル。さっき休憩した西窟が、振り返るとすぐそこに

 

快適な西窟(翌朝出発前撮影)

 


1/11(月) 小雪時々高曇り

06:40西窟~11:00八方睨~12:30西窟戻り~13:00西窟撤収・下山開始~16:00奥社駐車場

 

昨日のうちにちょっと先の右に回り込んだコルまで偵察したが、晩に降った雪でトレースは消失。来た道も消失しており、帰りのラッセルが憂鬱。

しかし行く道は行くしかないのである。思いっきり寝坊して出発。

コルからは、結構複雑に蛇行しながら、赤テープを追う。テープがかなり少なく、スマホGPSが無いと所見で下りは難しいだろう。昨日の百軒長屋前後ほどひどくはないが、急登は時速100メートルペースとなかなかのラッセル。基本三段ラッセル、部分的に万歳ラッセル。樹木が減って雪稜っぽくなってきたが快適というよりは奮闘的。

蟻の戸渡り直下10mで、雪が崩れて露出した岩壁に阻まれる。

鎖を探したが発見できず、右から迂回も岩が露出してしまった。大変そうだがなんとかなりそうな、左手のリッジに取り付くことに。

左手の雪崩そうな斜面を10メートルほどトラバースしてリッジへ。

トラバースは楽勝だったが、そのあとの高橋さんがリードした木登りリッジはマジでエグかった。垂直の木登りを冬にやると、ヤバいっす…超パンプ。足裏感覚がないので何に乗ってるか分からんし、ワカンでは凍った草付に蹴り込めないし(アイゼンに履き替えれば大分楽だったと思う)。高橋さんも「適当な木に残置して帰ろうかと思った」とのこと。

 

蟻の戸渡り直下。この先露出した岩に阻まれ左のリッジを木登り。

 

トラバース。この後の木登りがすごかった。

 

で、蟻の戸渡り。出だしでいきなり岩が出てきたので、アイゼンに履き替えていると高橋さんが「ワカンで行けるだろ」とスタコラ進んでしまう。岩やヤバいところは雪庇をピッケルで崩せるだけ崩して馬乗りしていた。アイゼン履いて追いつく。

「高橋さんすいません!交代します!」

「お~、頼むわ」

 

交代しようとして右に回り込んだら雪庇踏み抜いて、気が付くと左ひじがリッジに引っ掛かって止まっていた。右手を差し出してファイト一発で引き上げてもらう。これでビビったのとワカンに履き替えるのがめんどくさいので高橋さんリード。セカンドは高橋さんが踏み固めたところを歩くだけなので楽勝。

「こんなんでびびってんじゃねーよ」

的な高橋さんであったが、ビレイ点で合流すると

「ヤバかった!」

とのこと。ワイ、雪キノコ的な雪稜初めてでしたが、ホント怖いですね。特に左側が「落ちたら助からないだろうな」くらいに切れ落ちており、左手に雪庇が出ている部分は怖い。

 

蟻の戸渡り(帰りに撮影)

 

このあともう標高差20メートルくらいラッセルしたら八方睨。

高橋さんはこれが偽ピークでもう少し先かと思ってたらしく、超喜んでた。俺もとにかくこれで下るだけと思うと嬉しい。戸隠本峰?無理無理。

 

八方睨頂上にて

 

帰りも、トレースのある雪稜は楽勝。

例の木登り個所は、懸垂が上手くいき難なくクリア。

割とあっという間に西窟へ戻り、一服。

さて、ここからだ。トラバース主体なので苦労するだろうなあ…

高橋さんがたばこもう一本というので先発。昨日のトレースは完全消失。

フカフカのスノーシャワー堆積に全然進まず、もがいているうちに高橋さんに追いつかれる。俺のルーファイを見て「もっと上だろ」と思ってトレース外したら一瞬で身動き取れなくなったとのこと。二人してもがいてなんとか百間長屋の基部へ。ちなみにここまで1回、小規模な表層雪崩の亀裂入りました。このルート、積雪あると危ないっす…百間長屋からも二ヶ所ほど雪だまりがあるが先程のほどは大きくなく、頑張って五十間長屋へ。以降はトレースの形跡が残っており、一気にスピードが上がる。あっという間に奥社に着き、駐車場に戻れた。

戸隠そば食べて帰京。

 

極楽房の十割そば。まいう~。


【テクニカルメモ】

・積雪次第のルート。少なければ楽勝。

・積雪が多いとラッセル&鎖が埋まっているの2重苦。

・幕営適地はいくらでもあるが、快適なのは五十間長屋や百軒長屋の基部とか西窟の基部。

・百軒長屋前後のラッセルは半端ない。岩場上部からのスノーシャワーが原因で、雪崩そうな雰囲気のある斜面も2~3ヶ所ほどある。

・蟻の戸渡りはじりじり進めば技術的には問題なしだが、精神的には相当来る。積雪多い場合はスコップ振り回すといいかも。

・またしてもカメラの時間設定がおかしく、 時間は大体の時間です。


 

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