2021年10月11日 晴れ ナベ(記)・Y崎 形態:沢登り
06:30屋久島青少年旅行村発→07:10花山歩道(林道)入口にてデポ→07:40登攀開始→大川の滝10:00落ち口→10:30デポ地点
屋久島ツアー4本目(ラスト)。今日は青少年旅行村を引き払い安房の民宿で打ち上げなので半日コースの大川の滝(おおこのたき)をチョイス。高さ88メートルらしい。
ベースの青少年旅行村から歩き、途中の花山歩道入り口にサンダルをデポしてガチャをつけ、大川の滝へ。
大川の滝。正直、寝てるな~と思った。
釜を左の藪尾根を乗り越えて巻いて取りつきへ。ザイルが40しかないので短めに切ることに。
足回りはサワタビ(フェルト)。
1p目 35m ナベ 4+
左上のテラスのように見えるところを目指して適当に弱点を縫って登る。カムやナッツがバシバシ決まる。このピッチのみ水流中を右往左往した。
最後に左上する部分が足が細かく、踏ん切りがつかないが、緑キャメを目線のあたりに決めたら楽勝で踏ん切りがついた。やはり本チャンはプロテクションが全て(笑)
目の前左手の乾いたルンゼをもう少し登ればいかにもボルトがありそうだったが、ザイルが足りなくなりそうだったのでピッチを切り、カム2個でビレイ点作成。
1P目。弱点を縫いながら滝左上のルンゼを目指す。
横を見るとさすがに豪快
フォローするY崎さん。
2p目 7m Y崎 4-
そのままルンゼを登る。草付きに入る前のスラブが悪かった。右手にボルト2(ステンレスのM10オールアンカー+ステンレスハンガー)。一端ピッチを切る。
2P目(ザイルが50あれば1P目の最後の方)フォロー中。ヌメリがキツくて悪い。
3p目 40m Y崎 4-
滝の左のスラブ&溝に張った木の根っこを頼りに登るが、この木の本体ははるか上方で、こんなとこまでなぜ根っこを伸ばしたのだろうとか考えてしまう。屋久島の自然の雄大さを感じられるピッチ。
4p目 25m ナベ 3+
なおも、滝の左の溝を登る。ワイド気味。岩は水流により研磨されているのかこれ以上なくスベスベで、マントルを返す箇所では全身フリクションで這い上がる。滝の落ち口に着くがビレイ点は懸垂下降用に若干バンドを下側に戻ったところに打ってあり、使いづらい。
4P目(ザイルが50あれば3P目か)をフォローするY崎さん。後半は割と簡単。
合流して念のためザイル着けて渡渉し休憩。
滝の上にはなかなか悪相のミニゴルジュがあり、多分今登ってきた大川の滝より難しい(笑)。継続したら面白いだろうなとか無責任な事を言いつつ、尾根を辿って花山林道に出て、歩いて下山(※)。
大川の滝落ち口
落ち口先に広がるゴルジュ。無視して右手の尾根からそのまま林道へ。
青少年旅行村バス停付近に全荷物をデポしていたのでそれを回収して栗生橋からバスに乗る予定だったが、なんと日に2~3本しかないバスが後ろからやってきたのでY崎さんがヒッチして乗車(もちろん金は払いましたよ)、バス停で荷物回収し安房の民宿へ向かった。
予約した水明荘は、民宿といいながらほぼ旅館で、ベランダからの安房川の眺めは素晴らしく、おまけに洗濯機使わせていただいたりで大変過ごしやすく、そしてもちろん晩御飯は美味しかった。
【ナベ感想】
大川の滝は、内容は若干物足りないものの、ロケーションは最高。アプローチ・下山も近く、宿に入る前の暇潰しとして手頃だった(後述する通り下山でやや怖い目に…)。上部ゴルジュ継続したら大満足コースか?
それにしても、なんでこの滝はこんなに都合よくクラックがあるのに、屋久島の他の滝は何もないんだろう…
余談ですが、下山中、花山林道を猿の群れが占拠しているのに遭遇。ハイハイごめんね~と脇を通ったらすごい怒って追いかけられたました。二人で振り返りつつ「オウコラ!!」「何じゃゴラアア!」とか威嚇しながら逃走。300mくらい追いかけられました。
結構縦走でソロとかの人多いですが、結構猿怖いので気を付けましょう。どう気を付ければいいか知りませんが…
実は瀬切川の帰りもこの林道で二匹くらいに威嚇されましたが、少数の猿なら「仁義なき戦い」等で血の気の多い人の演じ方を事前学習しておけば(「何がやりたいんじゃコラ!」「噛みつくならしっかり噛みついてこいよコラ!」「噛みつくんだなコラ!」by長州力でもOK)気合いで乗りきれます。
群れだと無理。
マジ怖いです。去るのを待つか、人間が増えるのを待つか…。
【Y崎感想】
磨かれ水苔のはえた滝身。やはりフェルト裏の沢靴での登攀はコワイ。
怖いが、この先何があるのか、行き詰まるのではないか、というプレッシャーはない。
88mの落差を豪快に落ちる本流のとなりを淡々と(内心悲鳴をあげるところもあるが)登れば海を見渡す落ち口に立てる。
瀬切川でえんえん歩いた林道に上がるが、ここからなら短い。
バス停じゃない場所で乗っけてくれた(ダメもとで手を振ったら止まってくれた)上に荷物を回収するあいだも待っていてくれたバスの運ちゃんには感謝感謝である。