2021年屋久島・鹿児島ツアー 第5弾 霧島山地/大幡川下部ゴルジュ[沢]


2021年10月13日 曇り ナベ(記)・Y崎 形態:沢登り

 

06:15皇子原公園→07:15標高290m付近から入渓→08:00第一の核心ゴルジュ(標高340付近)→12:10第二の核心ゴルジュ(標高440m付近)→14:45堰堤より撤退開始(617二等三角点北あたりの堰堤)→16:45皇子原公園P

 

屋久島で4本遡行後本土上陸し延長戦開始。鹿児島で「ガッツレンタカー」を格安で借り、一路霧島へ。高原町にある、霧島最悪と悪名高い大幡川ゴルジュに挑戦。

※鹿児島ツアーと書いてしまったが、高原町は宮崎だった!

 

ネットにはあまり情報がなく、休日沢と源流を鹿児島の県図書でコピーする予定だったがまさかの貸し出し中。そもそも地形図のどれが大幡川か同定できない。たぶんこの堰堤だらけの沢なんだろうけど、本当にコレ?と半信半疑。

少ないネット情報と、ナベの「確か狭野神社の裏から入ると聞いたことがある」という20年近く前の情報を頼りに、皇子原公園に駐車して入渓。

即ゴルゴルしてきて間違いなかったことに安堵する。

本日は、前日の雨でかなり増水しており、各支流がなかなか立派。


入渓してすぐ。期待値が上がる。

 

ハング滝は流木で突破

 

本格的ゴルジュ登場。泳いで写真中央のクラックに取り付くが…

 

右岸からのスダレ滝を見送ると手ごわそうなゴルジュとなるが、滝の左クラックで技術&ギア不足により弾き返される。

泳いでクラックに取り付き、真ん中まではクラック内チョックストーンにスリングかけたりナッツかましたりして人工で登ったのだが、後半の前傾部分の右側に連打された古いリングボルトはリング破断してたり芯しか残っておらず、タイオフ用の短いダイニーマか3ミリスリングが3~4本必要。また、バックアップとしてキャメの5~6番も欲しいし、リングボルト無視するなら2セットは欲しい。上手い人ならデカキャメ1セット持っていってフリーか?いずれにせよちょっと無理…

ダウンエイドしながらクリーニングするが、チョックストーンに巻いていたスリングがジャミングして抜けなくなり残置。ゴミ増やしてすいません。

 

半分くらい登ったところで撤退。リングボルト見えますか?

 

仕方なく高巻いたがこれもかなり悪く(4級くらい)、そこから見たゴルジュの続きも相当悪い。次の滝は泳ぎ→右壁のクラックからテラスまでは分かるが、その後は左岸のクラックを人工して7mくらい上の外傾バンドみたいなのを辿るのだろうか?うーん、これは時間かかりそう&悪そう…

てことで撤退して左岸巻き。

 

さっきはじき返された滝の上の状況。水路を挟んでもう一発滝がある。手ごわそうだ。

 

沢に戻ると、割と平和なゴルジュ

 

沢に戻るとさっきほど凶悪ではないもののゴルジュが続いており、戻ってさっきの凶悪ゴルジュ写真撮った後遡行を続ける。

ゴルジュの先に何か見える…と思ったら堰堤。しっかり梯子がついていたが水被っておりシャワークライムとなった。もう何が何だか…

その後はキレーな沢・堰堤のサンドイッチ状態。

堰堤がマジうざい。出だしのゴルジュの級のゴルジュがもう一発出てきてこれも高巻き。

そのあとに出てきた20mくらいの大滝は釜が深いように見えたので、ナベが右岸側から滝の下をトラバースして弱点の左岸台地へ!やったぜ!

しかしY崎さんはスマートに左岸へつり(半ば泳ぎ)でなんなく登ってきた(笑)。

 

ゴルジュの切れ間から堰堤(笑)

 

梯子がしっかりついてたが、思いっきり水被っておりシャワークライムに

 

またっすか?(滝の奥に堰堤見える…)

 

再度凶悪化したゴルジュ(標高430~440くらい)。残置が無かったので登られていないのかも。あるいは左岸にあったのか?トライしたものの無理で右岸巻き。

 

大滝(標高490~500くらい)

 

ワッフ~!!シャワーだぜい!!(Y崎さん撮影)

 

しかしY崎さんは冷静に釜の左岸をへつってきた。


【ナベ感想】

ところで、この沢巻くとヒルが出るんですわ…。つまりゴルジュや堰堤が来るたびにヒル地獄です。河原に戻った後毎回ヒルチェック。

大滝越えた後の、通算4個目くらいの堰堤でついにヒルに心折られて下山開始。

前日雨が降り、当日も時々ぱらつくウエットコンディションだったので活性化していたのだろうけど、いやー、ディート持っていって無いノーガード状態でヒルはマジキツいです…

変な所で打ち切ったので下山も長かった。なお、下山中、矢岳の南から大幡川に注ぎ込む沢で堰堤工事しており、沢ごと「現場」になっていた。

大幡川下部ゴルジュごと掘削される日も来るかもしれないので、ゴルジャーは早めに行った方がいいかも知れない、マジで。

 

「奥多摩・マイモーズをもう少し難しくした奴が2か所出てきて、その間に断続的にきれいなところと堰堤が出てきて、巻くとヒルが出る沢」と言えば関東ゴルジャーにも伝わるでしょうか。はっきり言って変態的です。堰堤とヒルが無ければ巻いたって本当にいい沢なのに…

 

大幡川下部。こうして地形図見てもとてもゴルジュがあるように見えない…


Y崎感想】

ナベ氏も書いているが、多くの堰堤が築かれていて悲しい。

堰堤が出来る前はさぞかし興味深いゴルジュが連続していたことであろう(登れるかどうかは別の話だが)。

降雨直後と言うことで泥壁になった高巻きは屋久島よりかなり悪く、必ずと言っていいほど取り付いているヒルに悲鳴を上げる羽目になった。

そんなこんなで今回のツアーの中では高得点はあげられない。

雨具を着てとはいえ、あの大滝の流心に突っ込んでいくナベ氏は勇者だ。

 

 


 

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