2022年6月18日 曇りのち雨 ナベ(記)、会外1
09:15琴路トンネル南側出入口の滝見駐車場→10:55最初の大滝下→12:55奥の大滝下→14:30尾根に出る(1586m二等三角点西のコルの若干東)→15:50仙城沢取水堰堤→16:25駐車場
早川本流を下降し、楠木沢出合からスタート。
出合いにかかる謎の吊り橋。
沢のはるか上に導水管?がかかっている(点検怖そう)。
すぐに二俣となり、滝マーク二つある左俣に入る。
地形図通りの急傾斜。小滝とかナメ滝とかあると嬉しいな~と思っていたが、崩壊したガレの堆積が沢を埋めており、ひたすら急なゴーロの歩き。部分的にいい感じの小滝が露出している所もあるが、埋まっている部分から簡単に巻けてしまう。
総じて楽しくなく、「やべえ、外れか?」とあせる。
急なゴーロ
やがて正面にショボい30mくらいの滝が見えてきて正直「まさかあれが大滝?ショボい…」と思ったがこれは支流で、右に折れたところに40mくらいの立派な大滝。これはすごい。
ショボい支沢の大滝(これの左手から大高巻き)
本流の大滝
直登できる可能性は全然ない。セオリーなら沢の向き的に左岸巻きだが、滝の左岸側には岩壁が見えたので、右岸から大高巻き。支流の左手に取りついて尾根まで上がるが部分的に悪い。尾根から支流の滝の落ち口に降りるがこれも悪く、懸垂した方がよかった。対岸に渡って斜上し大滝の落ち口を目指す。
ところが大滝の上はミニゴルジュになっている上に、すぐ先に直登不能の30m急が鎮座。このまま右岸巻きを続ける。するとこの上にもさらに30mくらいの滝があり引き続き右岸巻き。見応えのある滝がたくさん出てきて嬉しいが高巻きがワンスリップアウト系で気が抜けない。
2つ目の滝
3つ目の滝
4つ目の滝
高巻き中の4つ目の滝
こいつは前三つと違ってホールド豊富な感じなので水量が少なければシャワークライムできるかもしれないが、本日は取りついた瞬間水圧で弾き返されそうなので少しもどって左岸巻き。ここは今までと違って緩く、ブナ?やら松やらの巨木が目に優しい。尾根をある程度登ってから動物の踏み跡を使ってトラバースをかけ、木の根っこで懸垂して本流へ。
ここからは平穏な沢。流域面積の割に水量が多い沢が右手から入ってくるがコンパスを信じて左へ進むと、予定通り左手から1586m西のコルから流れてくる支流に出合う。この支流を詰めると、最後の方の枯れ滝がかなり悪かった。(詰めれるだけ詰めてから支尾根に上がった方がいいと思う)。
源流の崩壊ハングを左から避けると、ドンピシャコルではなく若干1586m寄りに出た。尾根の上は伐採が所々入っているようで、下草も全然なく快適。時間があれば主稜線の1854ピークの往復をしたいところであったが時間がないので下降。左手の尾根に植林が入っていたのでこの尾根を使ったら快適に下降できた。仙城沢は両岸からの植生が屋根のようになっており本当に暗い。奥多摩あたりの沢に輪をかけて暗い。踏み跡は地形図とは異なり概ね左岸についているが、とにかくよく見れば歩ける箇所はいくらでもあり問題ない。取水堰堤からはちゃんとした作業道。
最後は集落の墓の裏に出てしまった。
車道を歩いていると爽やかなお兄さん(クライマーっぽかった)から乗ってくか?と声をかけられ、我々は臭いしあと1kmくらいなので遠慮したが心がポカポカしたまま下山することができた。
大滝以外に見所があまりないが、ヒルは出ないし、下草生えてないので藪こぎないし、尾根越えなので山登りした気分になれるし、記録あまりないので探検気分にも浸れたので、結構満足。崩壊で埋まってなければ、下部は相当面白いはず…もったいない。
【テクニカルインフォメーション】
●足回り…フェルトで問題なかった。
●ザイル…ダブル用の8.1×50メートルを1本、ちょうどよかった。
●ギア…ハーケンやカムを持っていったが使わなかった。スリング長短少し多めで十分。
●備考…大滝の巻きが悪いので足並み揃ってないパーティーの場合は欲をかかずに大高巻きすべし。小さく巻こうとすると急傾斜、ワンスリップアウトの巻きとなる。
我々は前日の残業&記録少なすぎて何があるか分からなかったので駐車場9時発の泊まり装備で行ったが、早出して軽装日帰りで十分。早出して、高巻きでの安全対策に時間使いたいところ。