期間:2024年1月14日
メンバー:マッシー、飯田くん、伊佐見(記)
土曜私用があって日曜のみ予定が空き、日帰りなら雪山シーズン1発目としてちょうどいいかと思って重い腰を上げた。
メンバーは年末年始の山行帰りに誘ったマッシーと他にパートナーが見つからなかった飯田くん。
狙いは以前から目を付けて調べていたししヶ岩としてみた。ここは鮎さんが夏に登った記録を読んでいたし、知り合いが冬に登ったらしく興味があったから。同岩壁は左の第1尾根と右の第2尾根、真ん中の中央ルンゼがあるが、どうせなら手応えの有りそうな第1尾根にしてみた。
アプローチは南稜青ナギから立場川を辿る。沢は見た目凍っていたがドボンの可能性があり注意するようにと伝えたのだが、マッシーが雪の下に下半身丸々ハマる。幸い水深はなかったみたいで、落としたアックスも拾えた。
ししヶ岩遠望
青ナギを下降
立場川を遡行
やがてししヶ岩が見え、ここぞというところを登ると中央ルンゼに出た。
第4フェースが圧倒的だ。
ここまでもベルグラがルンゼ内に広がっていて楽しいクライミング。
そのままルンゼを左へ登り第1尾根の右側支稜をハイマツまで。ここからロープを繋いだ。
ししヶ岩全景。左が第2フェース。
中央奥が第4フェース。見切れた右側が第2尾根
1P目(伊)
ボロい壁のバンドを灌木を利用してトラバースして第2フェース基部へ。
クライムダウンもあり、いやらしかった。
アンカーはハイマツがあったがしばらく気づかず、ピトンは体重をかけたら抜けた…。
トライカムも有効だった。
1ピッチ目
2P目(伊)
第2フェースの頭まで。狭いルンゼで楽しく登れたが、結構ボロかった。
持参しなかったが、極小ナッツがあるとプロテクションをもっと取れたと思う。
ルンゼのあと頭までぼぼノープロで登ってしまったが、次のセクションはクライムダウン気味にトラバースだったので無駄登りだった。
第2フェース
3P目(マ)50mいっぱい
トラバースして第3フェース基部まで。
4P目(マ)50mいっぱい
まだ生きている人工のボルトラダーを利用して、ドラツーで第3フェースにトライ。
じゃんけんで勝ったマッシーが取り付くが、「こんなことやったことない」と2ピン目から早速弱音を吐き出す。
「知らないけど、散々やってるはずだろ〜。いいから登れ〜」と無責任に応援。
落ちたら交代ということだったのだが、結局登りきってしまい、更に上の灌木まで抜けた。
このピッチは草付きが全くなく、出だしが垂直で悪いがその上のスラブも礫にピックを引っ掛ける感じで終始生きた心地がしなかった。
俺はこんなことやったことなかったよ。
しかし、50cmおきにプロテクションがあり、安心してドラツーができる素晴らしいピッチだった。
第3フェース
5P目(飯)
第4フェース取り付きまで。
6P目(飯)
第4フェースは左側に回り込んで、ピナクル上からクライミング。
下から見えた威圧的なフェースの端っこだけなので短いが、プロテクションは皆無。
甘決まりのトライカムやキャメ0.75をプロテクションに抜けていったが出だしのムーブはかなりバランシーだった。
後半はピックが深く刺さり、まあまあ安心だったが、マントリングは腕力が必要だった。
第4フェース
ししヶ岩の頭からは境界線の赤マークに従って南稜に戻り下山。
【感想】
〇ボロセクション、安心ドラツー、短いけどプロテクション技術の要るセクションとかなり楽しいルートだった。こんなに良いのに誰もいないのが更に良い。アプローチの立場川もアイスセクションがあって全く飽きない。第2尾根はどうなってるのか、とても気になってしまった。
〇ししヶ岩は南面なのでほとんど雪も付かず、いつも岩が露出しているらしく、いつ行っても変わらず楽しめるものと思う。
〇使用ギアはクイックドロー多数(今回は3人で15本?それでも第3フェースは間引きながら登る必要あり)、カム2番まで(3番もあると良いかも)、極小ナッツ、トライカム、一応ピトン。