■奥秩父/二子山東岳/スーパーたこやん[フリー]


2024年4月6日

形態:マルチピッチクライミング(本チャン?)

メンバー:ナベ(記)・西川


12:40 「スーパーたこやん」取り付き 14:20東岳山頂 14:50祠エリア広場 15:10又峠北側の駐車場

 

午前中に祠エリアで西川さんはシリアル10d、ナベはごんべえ11aに取り組み、西川さんはRP。ナベはムーブバラシ完了するもRPの余力無し。

やることがなくなったのでマルチでもやるか、ということになり(というか、この展開は予想していたのでカムを持ってきていた)、祠から近い中央稜に行ってみたが先行が4人ほど張り付いており、ここに取り付くと日が暮れるな…ということで「スーパーたこやん」に転進。

RS93号に紹介されているルートで、ガイドの(故)篠原さん・橋尾さんが古の(ルート図等にも載っていない)ルートを再開拓したライン。

 

RSの記載の通り、弓状バットレス基部を通って広場エリアからさらに踏み跡沿いに進み(踏み跡は林業だかルート開拓だか分からないが広場左手の岩壁基部にも分岐しているがどっちを通っても最終的に合流するので問題ないが、岩壁基部に行くと余計に疲れる)、すぐにフィックスが出てくるのでこれを辿り、フィックスが尽きたところが取り付き。パッとしないフェースにボルトが2本打たれている。


P目 西川 約25m 体感Ⅳ-

パッとしないフェース→テラス→ちょっと傾斜のある小岩壁を登りポルト2本のビレイ点。

下向きのフレークに無理やりカムを取ればオールNPでも登れそう。

ちなみにすべてのボルトはアンカー・ハンガー共にスチール製なので15年以内には錆びて朽ちるだろう。岩はまあまあ固いが平らな所には岩クズが堆積している。

 

P目をリードする西川さん。

手の切れそうな鋭いホールドが多い。


P目 ナベ 約20m 体感Ⅳ

クラック状の岩壁を登る。出だしで大き目のカムが決まりそうだが上でも使いそうなので温存したら、上は0.5サイズになってしまい、結局大きいのを使えなかった。このためボルトにクリップしたが、普通にオールNPで登れそう。立木でビレイ。全体として快適なピッチで☆。

 

P目をフォローする西川さん


3P目 西川 約25m 歩き

目の前の岩峰に向かって歩き立木でビレイ。

 

歩きパート


4P目 ナベ 約30m 体感Ⅳ+

目の前のガチャガチャした岩壁を登る。出だしに古のハーケンがあり、要所にボルトがあるのでラインが分かる。やや強点攻めの無理ライン(右手から巻けそう)なのはまあいいとして、所々岩が浮いており(岩自体は硬い)、平らな所には岩クズだらけ。松木沢ジャンダルムの石灰岩バージョンといった感じ。

ここもオールNPで行けそうだが浮石を考えるとちょっと危険。1か所フリーっぽいムーブがありここはボルトがないと思い切りが出なかったかもしれない。立木でビレイできそうだったが最後の岩の基部で岩角が使えそうだったのでもう一段上がり、岩角とキャメ0.4でビレイ。

 

P目をフォローする西川さん。「脆い」という認識で一致。

(実際1個大きいのを落としていた)


5P目 西川 約25m 体感5.9~10a

目の前の岩峰→小コル→山頂へ向かうルンゼ状。

出だしが見た目より難しい。続く岩峰の直登が核心だが、西川さんは頑張って直登していた。

フォローしてみると、岩峰直登部分は左のルンゼに下ると歩きで登れそうなうえ、岩峰左側面にはガバがあり、左側面から登ると簡単そうだが、西川さんに習い直登。さすがに10aともなると岩をチェックする余裕がなく、剣山のようなスローパーに手を置いて引き付ける際「抜けるなよお~」と念じて登る。ビレイ点はボルト2本。ムーブは出だし・岩峰直登ともに面白く☆だが、直登の部分が無理ラインなのが若干残念。

ここはセカンドで登ったのでNPで登れるか確認していないが多分登れるだろうと思う。

 

出だし。ちょっと迷う。

 

岩峰を直登する西川さん。


山頂で休憩して祠エリアに残置した荷物を回収し、下山。

小鹿野の飯屋にて腹を満たし帰京。

 

全体に無理やり感があるルートなうえ脆い部分があるが、松木沢ジャンダルムよりは近いので、「本チャンの練習」「NPの練習」にはいいと思う。西岳の中央稜と違って混まないし。

ほか、冬に冬壁の練習として登るのもいいかも知れない。


 

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