日程:2022年8月20~21日
メンバー:イサミ(L)、ナベ(記)
吾妻松川を予定していたが天気予報がどんどん悪くなってきたので、東北道に乗るつもりで集合した東川口でスマホフル活用し検索。天気が持ちそうなエリアとして北関東を選定。その中でもマシそうな栗原川とした。
(ひろたさんの記録と治田さんの記録しか見なかったが下山後調べてみると実は人気ルートとなっているようだ。)
8月20日 曇りのち雨
06:25 栗原川林道バリケード前駐車場発
07:00 松ゾリ沢下降点
07:45 栗原川本流
09:30 大膳滝(地図上の大膳円覚滝)
10:45 大膳滝上(不動沢出合)
11:00 円覚滝(地図上の不動滝)を見て引き返す
11:35 五段の滝
12:30 幕場(ツバメ沢出合)
栗原川林道は安全が確保されないため通行止めとの掲示。ゲートではなくコンクリートブロックによるバリケードで通行止めとなっていて驚いた。
松ゾリ沢出合いまで歩いて下降。最後は堰堤から懸垂。
本流はいきなり白い岩盤が美しい。ゴム底の沢靴もビタビタに決まる。
ヒタヒタと進み、途中2ヵ所出てくる幅広の滝は両方左のルンゼから登ったが片方はトラバースがかなり悪かった。ハイハイトラバースになるのだがザックがつかえてしまう。先に行ったイサミにザックをパスしてクリアした。イサミは止まり装備なのにザックが妙に小さい。
栗原川本流。
岩盤が発達していて美しい
こういう幅広の滝が2か所ほどあった。
いずれも左手から登ったが1か所かなり悪かった。戻れば簡単に巻ける。
悪かった箇所。
バックのままクライムダウンしハイハイトラバース。
ザックが支えてハマった
大膳滝(地図上の大膳円覚滝)は簡単そうに見えたのでノーザイルで取りつく。一段目は、水流左の段の上に上がるが、最後4メートル程のスラブがヌメヌメ過ぎてピトン3連打のA0。ロープは後続のイサミが担いでいたため上からビレイができず、かといってハーケンに全体重を預けるのも怖いため回収に手間取っていた。上のしっかりした残置支点からスリング連結はしていたので最低限の安全確保はできていたが、ここは最初からザイルを出すべきであった。
二段目はなんてことなくノーザイル。
三段目はザイルを出して、水流沿いから左の草付きに入り最後は右トラバース。イサミ提案で、草付きのテラスにザックを置いて途中から荷揚げしとしたがこれが大成功。草付きで何度もマントルが出てくるのでザックがあると大変だったかも。
大膳滝(地図上の円角大膳滝)。
写真で日の当たっているフェース右下のスラブがヌメヌメすぎて最悪。
ザイルを出していなかったためA0したピンの回収に手間取る。
一応スリング連結はしていたが万全ではないためテンション出来ない。
大膳滝3段目。
このあとザックをテラスにおいてマントル連発で登り、ビレイ点からロープアップして余ったザイルをぶん投げて荷揚げ。
すぐに不動沢・栗原川本流の出合い。栗原川本流の五段の滝はすぐそこに見えている。円覚の滝(地図上の不動滝)を見に行こうということで一旦不動沢に入る。巨岩ゴーロを思ったより進むと円覚の滝。一段目は今日の水量なら登れそう。二段目はどうかな?等と協議したが、まあこのあと五段の滝もあるしいいか、ということで引き返し、栗原川本流に復帰。すぐ五段の滝。
四段目まではノーザイルでわりと簡単に登る。
五段目は一見弱点がなく、水流左の壁を登ろうとするが難しい。よくよくオブザベすると滝のど真ん中に弱点があったのでシャワークライムで突破。
五段の滝。
五段の滝の5段目中央をシャワークライムで突破
これを抜けてからの渓相も素晴らしいがだんだんヌメってきた。
まだ早かったがひろたさんの記述通り素晴らしいテンバなので幕。
イサミが竿を出したがボウズ。予報通り小雨がパラついたが、無事焚き火できた。
極上物件(このあと小雨がパラついたため焚き火位置を移動)
焚き火の周りでごろ寝してたら蚊に食われた
8月21日 曇り
06:40 幕場
07:00 十林班沢出合
08:15 林道
08:35 林道よりケヤキ沢下降開始
10:10 ケヤキ沢大滝上
11:20 栗原川本流
11:45 地獄の登り返しを経て林道
12:15 栗原川林道バリケード
夜中もちょっと降ったが、朝から焚き火できた。
栗原川は登るにつれヌメヌメ成分アップ。
十林班沢に入るがこれは暗いショボ沢。林道まで詰めずに、右手の植林から尾根に上がる。予想通り作業道や獣道があったのでこれを利用して林道に上がる。
林道は自然に帰りつつあるがまだまだ大丈夫そう。
林道支線を見送ってすぐ下降開始。
すぐに水流が復活。十林班沢より明るくいい渓相だがとにかくヌメる!一度尻餅ついてしまった。全体に踏み跡が多い。炭焼きの跡もあった。
やがて大滝。いきなり沢が虚空にキレ落ちていて、怖くて落ち口に近づけない。
左岸は明らかに大岩壁なので50メートルロープ1本では足りそうになく、右岸からラッペルすることに。一旦少し戻って右岸に取り付くとバチバチの踏み跡があったのでこれを辿るとルンゼで途切れている。
ルンゼまでトラバースしルンゼを無理やり下れないこともなさそうだったが、ルンゼ前の灌木に懸垂支点があったので懸垂し傾斜の緩んだルンゼ内に下降。適当に沢に降り、大滝をオブザベ。ラスト10メートルがブランクセクションか。
ケヤキ沢大滝
なおもヌメヌメのケヤキ沢を下降するといきなり伏流。当然ヌメリはないので、河原を歩いたり踏み跡を歩いたりでスピードを上げる。
基本退屈だが、一か所面白いゴルジュ地形があり、なんか潜ったら出てこれなさそうな水たまり?があった。
伏流ゴルジュ
伏流区間で大滝を見に来たという2人組とすれ違う。滝見るためにこの伏流区間登るのか…大変だな…
やがて水流が復活、ここからはヌメリがなく、ゴム底がビタビタに決まり気持ちいい。最後の小滝を気持ちよく降りて、あっという間に栗原川本流に出たが、核心はここから。
松ゾリ沢下流の右岸から上がったが、150メートルアップの登り返しは本当にしごかれた。
林道は下り勾配で下山者に優しい。前泊でお世話になった道の駅でお土産を買い込み、下山飯は沼田インター前の「青空」で焼き肉。パーフェクトな下山飯を決めた。
ケヤキ沢下部。ブレブレだけど本物は奇麗です。
【参考記録】
【行動概念図】
国土地理院「電子国土」より。
【使用装備】
・ザイル50m、ハーケン
・足はラバーソール。ただし中盤からはヌメリが激しい。途中から荒縄でも巻けばよかったか?