外国のため会外計画としましたが、出発前に概略をメーリスしましたので簡単に報告します。
高橋のメモとなっています。
個人的には、結果 ”ヴェネチア・ミラノの旅、ついでにドロミテ” (汗) となってしまいましたが、自分のフィジカルと天候なので反省はありません。
運が良ければ頂上か、もう一本短いのを登りたかったなというのはあります。
遠征隊としては、アルプス6大北壁のひとつ、チマグランデコミチルート他完登しています。
…ので、メンバーからまったく別種の熱~いレポートが入るかもです。
2024年9月5-15日
山崎・高橋・鈴木篤・村松
9/4(水)
成田22:30発。
9/5(木)
朝ドーハ乗り換え。
14:30ミラノ着。高速鉄道で移動し21:00ヴェネチアで4人合流。レンタカーで国境を越えオーストリア(チロル)の貸し切りロッジ着は24時過ぎ。
9/6(金) 雨曇り
・自炊食料
・風邪薬
・ミラノ駅ですべて盗まれた山ちゃんの最低限登攀用具(*1)
・ムラマティのロープ買い出し@Sillian墺/San Candido伊/Cortina d'Ampezzo伊。
9/7(土) 晴れ
全員(2組)でCima Grande 北東稜(Dibona Arete) 約12ピッチ。
朝の有料道路ゲート渋滞の影響で頂上取れず。09:45取りつき、横断バンド終了点16:00。
トポの推薦の通りバンドを回り込みノーマルルートから簡単に頂上ピストンできるかと思っていたら、取りつきも判然とせず時間が押してきて断念。
バンドからそのまま頂上まで3-4ピッチ延ばすのが合理的だと思う。
ただ、バンドまでの下降の不安は増す。
ヘッデン下山。下降ルートを知っているパーティがおらず、うろうろ探しながらヘッデン下降(*2)。
ロッジ着24:00。尚ヘッデンなしで行動できるのは06:30-19:30。
山・高は、パーティ装備として、エイリアン黄~黄キャメ、ナッツ一式、トライカムエボ4ヶ、ヌンチャク8本、スリング・ビナ適宜、60m x 2本。
カム・トライカムはよく決まった。残置ハーケンは時々しっかり決まったものが見つかり、ビレーポイントはルートを外れなければ整備されてあった。
Ⅳ+までしか触っていないが、ドロマイトは石灰岩と違うものなのか、硬くしっかりしている分、日本より気持ち甘く感じた。
9/8(日) 曇りのち雨
山・鈴で、ミスリナ湖付近の通称Diavoloルート。自分はレスト。
ロクに寝ないで朝早く出発した二人を、俺たちとは全く物が違うとムラマティと話していたが、後日マティもそっち側の人間であることを知ったのだった。
夕方遅く戻ってきた二人にルート内容を聞くと、山ちゃんの歩幅でギリギリのブリッジングで向こうの岩峰に乗り移る箇所があるのが気になったが、全般に楽しそう。そう長くないのが気に入った。昨日の今日じゃなければ・・・・
9/9(月) 雨曇り
食料買い出し。
San Candidoで北壁のトポをコピーして街を散策。
9/10(火) 晴れ
山・鈴・村で、Cima Grande北壁コミチルート。
起床02:30、ロッジ発03:30、オーロンツォ小屋P発04:45、取りつき06:00頃
自分は仮眠したあと、2時間遅れて車を出発し、コミチ取りつきまで見学へ。声をかけると5ピッチ目だそう。いいペースで進んでいるように見えた。
ガンバを送ってからTre Cime一周ハイキング。取りつきから眼下に広がるカルスト台地(?)に降りていくのだが、トレールに合流するまででっかい牛の糞がそこここに転がり、途中で出会ったら怖いなーと思いながらぶらぶら歩いた。北壁隊は日帰りを目指してツェルトだけ持ってアタックしたので、いつ帰ってくるかと夜中まで展望台へ時々出かけた。
星がきれいな放射冷却の夜。横断バンド(Ringband Terrace“はちまき”の意味だそう)上にも下降ルート上にもライトは確認できなく、明日は午後から天気が崩れる予報なので心配になる。カウベルはカラーンカラーンと24時間鳴っています。寝ないんだ!
9/11(水) 曇りのち雨
未明に一時強い雨。10時まで待って帰ってこないので念のためコミチ取りつきまで行ってみる。下降ガリーからの出口も北壁上部もガスで見えない。Pに戻る途中にLINEが入った。「昨夜は5P残してビバーク、現在下降中」
おおお。北壁隊は17時前にP帰着。下降途中から予報通りの雨で、カッパ着て帰ってきた。
9/12(木) 雨のち雪。
午後から墺 Lienz経由ヴァイセンゼー湖までドライブ。帰路雪につかまり宿100m手前の坂が登れず路駐。積雪15センチ。ノーマルタイヤで明日帰れるとは思えない。とはいえ今晩できることもない。
9/13(金) 晴れ
早朝に除雪が入り、無事ヴェネチアでレンタカー返却(*3)。
午後、水上バスでオリエントの香りのするサンマルコ広場まで。海洋史博物館に入場(*4)したあと路地散策しながらサンタルチア駅まで。
9/14(土)
午前中、山ちゃんは警察でミラノでの盗難届(をベニスで出すって...)。ムラマティはバックパック旅行に不要な登攀用具を実家に送るため郵便局へ。
山ちゃんは無事受理されたそうだが、かといって旅行保険に入っているわけではないので携行品盗難で部分でも金額がもどってくるわけじゃない。
ムラマティは散々梱包をやり直させられた挙句、(土曜)12時になったので今日は終了と締め出されたそうだ。
せめて最後はイタ飯屋で食べて別れたかったのであるが、各人のザックの量が途方もなく、空いていたラーメン屋で打ち上げ解散。
山ちゃんは飛行機でロンドンへ、ムラマティは結局ダブルザックのままでとりあえずバルセロナ行のバスに乗る。
我々は鈍行電車で、ヴェローナ乗り換えミラノへ。
ミラノの宿が怖かった(*5)。チェックインした後夕方遅くになってしまっていたが、大聖堂・城・ガッレリアを見物。夕闇に白く浮き上がる大理石のシャンデリア、ここファッションの都ミラノでは、神様も華美な住まいをお好みのようだ。
宿の近くの食堂でイタ飯。今回の旅で外食したのは、ベネチアの路地のテイクアウトピザ屋軒先と、ベネチアメストレ駅前ラーメンを除いてはここが初めて。ナイフ・フォーク・スプーン・ナプキンでミックスグリル、リゾット、ディアボロピザを食した。
9/15(日)
朝、篤さんは空港へ。ここに一人残されるのは不安なので自分も一緒にチェックアウト。
午前中にドゥオーモ内陣、屋上を見学。篤さん推薦の骸骨教会は日曜ミサで入れず。残念。
夕方ミラノ発。
9/16(祝)
ドーハ乗り換えで19:00成田着。
総括
男4人でイタリア旅してきました。(*6)
以上
*1 すべてを失った男、山ちゃんがミラノ駅で篤さんと駅ビバ中に盗まれたのは、バイル2本、アイゼン、ロープ、カムナッツ、スリング・カラビナ等々のメットをのぞくザックごと登攀用具すべて。代替に買ったのは、ロープ60m,
ハーネス, クライミングシューズ、ルベルソ、環ビナ1、フリービナ5、長スリング1、ズボン
*2 山ちゃんがツインテールの金髪娘を泣かせる
*3 今回走行800kmくらい(まったく適当)。ドライバー率は「村65%・鈴30%・高5%・山1%」。
*4 妻に言わせると、サンマルコ寺院のモザイク画を見なければベネチア行ってないのと同じだそう。海洋史博物館は、そんなのどこにあるの?でした。
*5 誤って女性二人でbookingした我らは、カウンターで馬鹿にした笑いとともに、ブラジリアン柔道家(風)とボブ・サップのようなソマリア人と同宿にされ、ブラックホークダウンがフラッシュバックし、シャワーなんか浴びたらかわいがられそうで無理。
*6 オーストリア滞在時間のほうがずっと長かったけど。4人の絆は山と旅とミリタリーへの愛。
宿 (料金は概算一人一泊)
●オーストリア Kartitsch 157番地 Waldfrieden 8泊 別荘風貸し切り ロッジ 寝室4、シャワー2、食器洗い、洗濯乾燥機、トレーニングマシン完備
6,000円 (電気代・リネン込み)
●ヴェネチア
本土側メストレ駅前 Venice Stay 1泊 ダブル1台、シングル2台 5,000円
●ミラノ
ドミトリー HI Ostello Mirano 1泊 4,300円
※当時換算レート
1ユーロ164円 USドル145円
完